《第414号あらまし》
 モンテローザ未払残業賃金請求事件
 全日検賃金請求裁判
 「有事法制は誰のため、何のため」
 〔シリーズ〕労基法を使おう (第31回)
     通勤災害について


モンテローザ未払残業賃金請求事件

弁護士 内海 陽子


1 刑事記録の取寄せ

平成13年5月7日、元従業員2名が原告となり、「白木屋」「魚民」などの居酒屋チェーンを経営する株式会社モンテローザに対し、入社以来の未払残業賃金の支払いを求めて神戸地方裁判所に提訴したのは、以前にも会報でご報告させていただいたとおりである。

今回、株式会社モンテローザとその代表者大神輝博会長に対する労働基準法違反刑事裁判の記録を、民事裁判の経過において取寄せ、証拠として提出することができたので、その経緯についてご報告をさせていただく。


2 モンテローザにおける労働実態

モンテローザ経営の店舗においては、従業員は通常午後3時頃より翌朝午前6時頃までの勤務が常態化しており、しかも労働基準監督署に長時間労働を把握されないように、勤務中であってもタイムカードはあらかじめローテーションで決められたとおりに打刻するよう上司から命令されていた。

各店舗における人件費率も決められており、それを超過すると、店長が減給、降格、転勤といった処分を受けることになっていた。店長らは、人件費が増えないように、自ら無給残業、休日出勤をして、なんとか店舗を運営していた。店長らは店舗における勤務以外にもローテーション表の作成や売上書類の作成などの仕事に追われ、寝る時間も確保できない状態であった。

そして、会社の都合により、一年に何度も転勤を命じられる。原告らのモンテローザにおける勤務期間はそれぞれ3年程度であるが、一名は4回、一名は10回店舗を変わっている。

原告らは、なにより、毎日の長時間労働、度重なる転勤、ノルマ不達成の場合の厳しい処分といった、労働者の人格を少しも尊重しないモンテローザ店舗における過酷な労働状況を社会的にも明らかにしたいとの思いから訴えを起こしたのである。

原告らが裁判において主張するこれらの事実について、モンテローザ側は認めようとしない。

原告らがタイムカードについての指示を示した書面を証拠として提出しても、「このような指示は当該書面の配布された地域限定で行われたものであり、会社からの指示ではない。」などと否定する説明をなしてきた。

実際原告側から提出できる証拠は少なく、被告の主張に対し有効に反論できる証拠をさらに収集する必要があった。

しかし、原告らは、すでに退職しており、会社側に存する資料をこれから手に入れるすべはない。


3 時効の壁

原告らの裁判においては、さらに難しい問題がある。

時効の壁である。

モンテローザは原告らに対し、未払い残業賃金のうち、時効が成立しない部分については、すでに支払ってきている。

しかし、それ以前の未払賃金については、2年の消滅時効を主張し支払おうとしない。すでに支払ってきた残業賃金についても計算方法や労働時間の根拠資料は何も示さず、一方的に支払ってきたのみだ。

会社の指示で、労働時間を記録させず、長時間労働を従業員らに強いてきたのに、会社は消滅時効を主張している。従業員らは、自分が働いた時間すら分からないのに、これまで未払い残業賃金を請求ができたはずはない。

「今まで請求がなかったから、時効が成立します。」との会社の主張を認めるわけにはいかない。

裁判において、原告らは、「残業賃金支払いを免れようと違法状態を続けてきたモンテローザが時効を主張するのは、権利の濫用だ。」との主張をしている。ただ、今日までの裁判の例を見ても、権利濫用論で時効の壁を突破するのはかなり難しい。

時効の壁を突破するには、モンテローザの残業賃金の不払いの実態や労働実態が、いかに悪質であるかを十分立証しなければならない。

しかし、ここでも、やはり原告ら側に証拠が少ないという立証の問題が立ちふさがる。


4 モンテローザと組合の合意の成立

このように神戸地裁での裁判が進む中、裁判外でも情勢は動いていた。

平成13年9月には、東京で2年以上にわたりモンテローザと団体交渉を続けてきた東京西部一般労組白木屋分会が、組合の要求を大幅に認めさせる合意を勝ち取った。

神戸地裁の原告らも、組合の協力を仰ぎ、組合と同調して一緒に合意をできないか、ということも検討した。

組合と一緒に合意すれば、労働時間を把握するのに必要な資料の提供を受けることができ、労働時間をある程度把握することができる(裁判においてはモンテローザはこれらの資料を提出していなかった。)。また、休み時間についても一部賃金を支払うなど労働者に有利な賃金計算方法も提案されていた。

ただ一つだけ、組合と一緒の合意では問題となる条件があった。モンテローザの消滅時効の主張を一部認める結果となることである。

結局、原告らは、モンテローザの消滅時効の主張を認めることはできないし、新たに元従業員が未払賃金を請求したいと思ったときのためにも最後まで訴訟で時効を争いたい、との結論を出した。

そのためにはやはり証拠をどうにかして集めなければならない。


5 刑事事件の確定

ちょうどそのころ、モンテローザと大神会長は、平成13年9月11日に八王子簡易裁判所で罰金の有罪判決を受け、判決は同年9月26日に確定した。両者は、平成12年4月に労働基準法違反の刑事告発を受け捜査が進められていたのである。

罰金とはいえ、刑事の有罪判決である。

有罪判決が出たという事実だけでも、モンテローザの残業賃金不払いの労働基準法違反がいかに悪質であるかの立証になるが、なにより、刑事事件の記録には、モンテローザでの労働の実態が現れているはずである。

ただでさえ、証拠収集が難しい原告側にとっては、重要な証拠となりうる。

原告ら弁護団は、なんとしても、この刑事事件の記録を証拠に使いたいと早速裁判所に刑事確定記録の文書送付嘱託を申立てた。

裁判官はあっさりと文書送付嘱託を採用し、記録が取り寄せできることになった。


6 刑事記録

平成13年12月、裁判所に刑事確定記録が届いた。その多くは、代表者大神会長や幹部社員の供述調書である。幹部社員から、タイムカードをローテーション表どおりに押すようにとの指示がなされている。残業時間の隠蔽が会社の指示でなされてきたことがはっきりわかる。

また、各地の労働基準監督署から、モンテローザに対し、残業賃金未払いなどの労働基準法違反について何度も是正勧告がでていることが明らかとなった。

そして、各店舗の店長らが、人件費を抑えるために無理な勤務をしていたことを幹部社員が認める調書もあった。

モンテローザ側の主張に十分反論できる書面がそろっていた。


7 現在の状況 

その後、原告側からは、刑事記録を引用して、被告の主張に対し反論の書面をだした。もちろん、刑事記録は全てを証拠として提出した。

裁判は今後、尋問などの証拠調べ手続きに入っていく予定である。

今回の刑事記録が原告側の立証に大きな意味を持つことは間違いない。労働事件で刑事の有罪判決がなされることは稀なことである。この有罪判決の確定は、刑事告発をしていた東京西部一般労組のご尽力があったからこそであり、この点は、本当にいくら感謝してもたりない。

刑事有罪判決が確定していたからこそ、このような重要な証拠を手に入れることができ、その意味では原告らや私たち原告弁護団は大変幸運だったといえる。

そして、裏を返せば(組合と合意が成立したにもかかわらず)刑事で有罪になるほど、モンテローザの残業賃金不払いの状態、従業員らを酷使する労働実態は悪質だったということであり、この裁判も、決して負けるわけにはいかないということである。

原告ら、弁護団は、今回取り寄せすることができたこの証拠を有意義に活用し、難しい裁判ではあるが、なんとか良い結果を出せるように裁判をすすめていきたいと考えている。 

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全日検賃金請求裁判
結審を迎えて

全日検神戸支部労働組合 書記長 中野勝人


裁判長の「少し先になりますが、判決を8月23日、午後1時10分とします」との発言に、満席の傍聴者で埋め尽くされた神戸地裁101号大法廷は、遅い判決日に大きな不満のどよめきが起こった。

先日、4月19日、私たちの賃金請求裁判は昨年4月26日提訴以来、ほぼ一年で結審を迎えました。

この一年、厳しい生活の中で、それぞれ原告組合員は貯蓄を切り崩したり、労金や親戚から借金をしたり、生命保険の解約などあらゆる努力をしてきました。

また、働きながら生活保護申請が受理される組合員が出るなど、全日検協会の攻撃は、憲法で保障された最低限の生活すら守らない、無法・非情な許しがたいものでした。それだけに、原告組合員・家族にとっては「協会の無法は許さない」思いと、「一日も早い勝利判決」を願って、この一年闘ってきたのです。

法廷闘争は7回裁判が開廷され、毎回神戸地裁101号大法廷が超満員になり、のべ800名を上回る支援の皆さんが傍聴にかけつけて下さいました。審理は、全日検協会本部と検数労連の中央協定を神戸支部のみ破棄する不法性や、賃金協定上の不備を明らかにさせました。その上で、協会本部が決めた資金運用(支部独立採算・支出許可額制)は、本部だけを安定させ赤字支部にとっては矛盾した施策であること。主務官庁の国土交通省に報告した平成12年度剰余金5300万円が、実は7億3000万円の赤字であるという協会の主張も、正当な根拠を示せなかったこと。さらには、西日本マリン転籍者の賃金原資は全日検協会から出ているにもかかわらず、なぜ転籍者より職員のカット巾が大きいのか。そして、経営責任を一番取らなくてはならない本部役員が5%カットであり、支部管理職が20%カットと、本末転倒の無茶苦茶な施策であることなどが法廷で明らかにされました。

また、3名の仮処分(昨年11月)でも、私たちの主張がほぼ認められた全面勝利決定が出されました。そして、第6回裁判終了後、裁判長から「和解勧告」が出され和解交渉を進めましたが、協会本部は基本姿勢を一歩も変えず、本部責任者も出席しない不誠実な態度に終始したため不調に終わりました。しかし、裁判は弁護団の大きな力で優勢に展開し結審を迎えることが出来ました。

法定外では、提訴前から港をはじめ、兵庫労連、地域労組から支援連絡会を組織していただき、たたかいの輪を広げる力になってもらいました。「守る会」から原告1人10万円の越年資金、また「協会よりも一日でも長く闘えるように」と、兵庫労連の仲間から『1億円闘争資金』の支援を受け、体制強化を図っていただきました。また、多くの民主団体からも支援もいただき、昨年秋、農民連から1トンの支援米を全原告に届けていただくなど、勇気と希望もいただきました。

こうした破格の支援体制と民法協の強力な弁護団の皆さんに支えられ、原告組合員167名がこの一年団結を崩すことなく闘い続けることが出来ました。あらためて皆さんに感謝しお礼申し上げます。

闘いはこれからが本番です。私たちは判決を待つだけでなく、今後は早期解決のために裁判所には請願署名を積み上げ公正な判決を求めます。(5/7現在、団体署名2,982、個人署名57,623)同時に、全日検協会を世論で包囲し、主務官庁の国土交通省へは早期解決の行政指導を求める行動も取り組みます。そして、もう一つの闘いである「港のチエック機能を守れ」の運動を大きく広め、政府・財界主導の規制緩和に歯止めをかける闘いにも展開したいと考えます。

民法協の皆さん、今後も厳しい闘いが続くと思いますが、原告組合員167名の団結を大切にし、8月23日の勝利判決目指し頑張ります。引き続きご支援・ご協力よろしくお願いいたします。


第1審最終弁論意見陳述

原告ら訴訟代理人の最終弁論における意見陳述から

●労働協約の一部破棄の効力

1. 労働協約の一部解約の無効

   被告は本件協定の一部解約は、ソニー事件とは異なり、神戸支部労組と被告協会との間で協定を全部破棄するものであるから有効だと主張している。本件がソニー事件と実質的に異ならないことは、原告ら検数労連に結集する労働者が、賃金に関する基本的事項については全国共通の基準を選択した結果であること、その駆け引きの中で本件中央協定が締結された点等を中心に述べた通りである。ここでは,西谷教授意見書の趣旨と、被告主張が協約論の基本を無視した主張であることを指摘する。

  被告主張の一部解約は、検数労連と被告協会との間で締結され、全国7支部について適用された統一的労働協約である本件賃金協定を、神戸支部労組との関係に限って解約しようとするものである。意見書が指摘するように、適用範囲を変更することは、労働協約の重大な変更に当たるから,特段の事情のない限り一方当事者の意思によって変更することはできない。従って、解約の意思表示は単なる適用範囲の変更の申入に過ぎない。本件労働協約は全国7支部に適用される賃金に関する統一的労働協約であり、1978年検数労連結成以来23年間、被告協会7支部の検数労働者の賃金基準として規範的効力を有してきた。従って、統一協定を基本的に維持しながら神戸支部のみの適用を排除することは恣意的かつ、解約権の乱用と言うべきである。労組法15条は労働協約の解約について規定しているが、労働協約の解約は,一方当事者の一方的意思表示であるからこそ、その一部を解約したり、あるいは適用範囲を変更することを認めないのである。この点は協約理論の基本的原則である。被告は、原告主張を形式的主張であると非難するが、形式ではなく基本原理であって、被告主張は法解釈の原理・原則を無視した暴論でしかない。

2. 3権委譲と暫定協定

   被告は、2000年(平成12)7月21日の検数労連中央執行委員会見解で、神戸支部労組に対して「3権が委譲」され、本件賃金協定の締結主体として神戸支部労組を切り離し神戸支部労組が協約単独当事者となっていること、従って、「一部解約」により本件賃金協定は失効した、あるいは賃金協定が変更されたと主張する。しかし、この3権委譲は、被告が自認しているように、「神戸支部収支改善施策」に関わる事項に限定されており、それは神戸支部労組以外の支部で部分的協定、暫定協定が締結されてきたことと事態は何ら変わりはない。即ち、収支改善施策については幾つかの支部で協議がなされ、暫定協定が合意されてきた経緯がある。この場合検数労連が締結した本件賃金協定そのものは解約された訳でも、期間経過によって失効した訳でもなく、あくまで基本となる本件賃金協定の存在を前提としたうえでの支部ごとの暫定的措置である。

   神戸支部労組に於ける上記平成12年7月21日検数労連執行委員会「見解」後の措置、即ち「3権委譲」も他支部の暫定措置と異なるところはない。このことは同年7月21日以後最初に行われた本件賃金協定破棄と、その後の同年12月18日の10%賃金カットに関する暫定協定の関係を検討すれば明白である。右賃金協定破棄の宛先は神戸支部労組ではなく、検数労連宛である。記載内容から明らかなように本件賃金協定は他支部との関係では維持することを当然の前提としている。即ち、前記の通り、検数労連が締結主体となった本件賃金協定自体は解約されたのでも、期間満了により失効したのでもない。つまり、団交権や協約締結権を全面的に委譲することは理論上あり得ず、「3権委譲」は検数労連が締結した賃金協定の有効な存在を前提としたうえで、神戸支部の収支状況に応じた暫定的な扱いが神戸支部と神戸支部労組との交渉、決定に委ねられたに過ぎないのである。従って、3権委譲後の、平成12年12月18日の10%カットの協定も、検数労連が締結した賃金協定の有効な存続を前提として、暫定的に基準内賃金を削減することを意味するに過ぎず、賃金協定の存続そのものを否定する趣旨ではあり得ないのである。従って、暫定協定の成立により、神戸支部労組の組合員の賃金は、検数労連の締結している本件賃金協定と、神戸支部労組の締結した暫定協定との組み合わせによって、つまり本件賃金協定による賃金を前提として、それから10%をカットするという形で決定(平成13年度賃金改訂と同じ)されることになる。 

   被告は、本件で賃金協定を神戸支部労組との関係でのみ再び破棄した。被告は3権委譲の経緯から神戸支部労組が協約締結当事者となったことから「一部解約」は有効と主張するが、以上の理由により、基本となる本件賃金協定を、神戸支部労組との関係に限定して「解約」することはどのように考えても正当化することはできない。かつ、神戸支部労組との暫定協定で本件賃金協定の内容が変更されたということもあり得ない(仮処分決定同旨)。暫定はあくまで暫定であり、神戸支部労組が、別の暫定協定で合意しない限り、一時的にも本件賃金協定の内容が変更されることはあり得ない。従って神戸支部労組組合員の賃金は本件賃金協定で規律されることになるのは当然である。

3.原告らの賃金請求権

   被告協会と神戸支部労組組合員との賃金は、本件賃金協定で規律されている。平成10年4月27日付B、C協定の付則36条では、「本協定の有効期間は平成10年4月1日より平成11年3月31日までとし、平成11年度の協定が成立するまでは、尚有効なものとする」と定められている。本件賃金協定は検数労連結成直後から検数労連との間で締結されている。検数労連結成は、昭和48年7月1日であり、昭和50年5月15日付の基本となる賃金協定(B、C協定)が締結されている。この付則34条第1項にも前記付則と全く同様の規定があり、検数労連と被告協会では新たな更新手続きをとらずに、翌年以降新たな協定が締結されるまでは前年までの賃金協定が有効という取り扱いがなされてきたのである。この点についても仮処分決定が指摘した通りであるが、本件賃金協定は「失効」はしていない、新たな協定が締結されるまでは本件賃金協定は有効なのである。つまり、仮処分決定が指摘するとおり、原告らの賃金額は、本件賃金協定によって定められた額とすることが、その労働契約の内容となっている。被告主張の「一部解約」は無効であるから、原告らが平成14年4月1日以降も、本件賃金協定により、同協定により定められる平成13年3月時点の給与、即ち本訴請求金額を請求することができるのは当然である。

●本件の就業規則の不利益変更の効力について

1. 立証責任

   本件は、賃金という労働者にとって最も重要な労働条件について、就業規則を大幅に不利益に変更するものである。

   最高裁は、就業規則の変更によって、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として許されないという立場を堅持しており、ただ、変更に合理性がある場合にのみ例外的に、就業規則の変更による労働条件の不利益変更が認められているにすぎない。

   したがって、例外的に不利益変更が許容される要件である変更の合理性の主張立証責任は被告が負担すべきであることをまず申しあげたいと思う。

   また、合理性の判断にあたっては、使用者側の変更の必要性とそれによって労働者が被る不利益との相関関係を基軸に種々の要素が考慮されることになるが、使用者側の必要性については、本件のような賃金の減額の場合、その不利益を労働者に法的に受忍させることを許容できるだけの「高度の必要性」が要求されていることを強調しておきたい。

   平成12年度の被告の決算は5200万円の黒字であった。

   本件賃金カットについては、仮処分が申し立てられて初めて被告は変更の必要性の根拠として平成12年度の実質的な収支では約7億3000万円の欠損が出たという主張をした。

   これに対して、原告らはその裏付け資料の提出を求めたが、被告らはそれを拒み、しかも、被告側の証人は当法廷で「経理のことは知らない」として、その点の説明を拒んだのである。

   すなわち、本件においては、被告は、就業規則の変更の必要性についての立証責任を放棄した言わざるを得ない。

2. 変更の必要性

   ところで、被告は、税制変更により退職給与引当金繰入限度額が引き下げられ、巨額の取り崩し益が発生したことが欠損の原因であると主張しているが、その主張に根拠がないことは最終準備書面で述べたとおりである。

   本件審理で明らかになったことは、本件の賃金カットは、被告が自らの経営責任を放棄し、赤字の責任をすべて赤字支部の労働者に転嫁しようとしたものにほかならないということである。

   被告は、被告の経営が「危機的状況」にあることを強調するが、被告役員の報酬は平成10年9月から平成11年3月まで12%カットされていたのに、事業基盤確立3カ年計画が実施され支部独立採算的運営として支出許可額制度が導入された平成11年4月以降は逆にカット率が5%に引き下げられている。

   神戸支部従業員には50%カットを強いて、経営の最高責任者が5%しかカットされていないという不均衡が非常識極まりないことは言うまでもない。

   さらに、支出許可制度導入と同時に本部役員のカット率が下がったことは今回の賃金カットに見られる被告役員の姿勢を如実に物語るものである。

   すなわち、支出許可額制度は、支部の事業収入から本部への拠出金を除いた残額で支部の運営を図るという制度であるが、本部役職員の報酬や賃金の原資となる本部固定費の拠出基準が、従前は支部事業収入の一定割合であったものが、支出許可額制度においては、これを従業員の頭割りに変えて、本部財政が支部の収支に影響されないようにしたのである。

   赤字支部は、支部の事業収入のいかんにかかわらず、従業員数に応じた固定額の負担を強いられるために、ますます赤字になるというシステムである。

   一方で、赤字支部いじめのような支出許可額制度を強行し、他方で本部役員は報酬のカット率を引き下げぬくぬくとした生活をしている、これが本件賃金カットの本質である。

   神戸支部の赤字の主たる要因は阪神大震災であって、神戸支部従業員には何の責任もない。

   しかも、神戸支部がかって黒字であったときにも神戸支部従業員だけが他支部と比べて何らかの恩恵を受けたことはない。逆に、神戸支部従業員は黒字の時期にも全国統一条件の維持のために協力をしてきたのである。

3. 労働者の被る不利益の程度

   原告らは、月額基準内賃金を50%カットされたにとどまらず、平成13年以降、一時金も一切支給されていないために、実質的な賃金のカットは50%を超える。

   原告ら及びその家族がぎりぎりの生活を続けていることは荒井委員長が法廷で述べたとおりである。

   神戸支部管理職のカット率を20%に引き下げざるを得なかったのであるから、50%カットが原告らにとってどれほど過酷であるかは、被告も十分承知の上のことである。

   被告は、マリンサーンビスへの転籍あっせんをもって代償措置を取ったと主張するが、そもそも、転籍者がマリンサービスから支給される賃金の原資は、被告がマリンサービスに支払う派遣料にほかならないから、神戸支部従業員が同社に転籍すれば、何故に被告に在籍するよりもカット率の低い賃金が支払われるのか、裏返せば、被告に在籍すれば何故にマリンサービスへ転籍した場合より大きな賃金カットを強要されるのか全く合理的理由が見いだしがたい。同社への転籍が経営的な合理化のためというよりは、神戸支部従業員の意識改革を目的としていることは石野証人も認めるところでもある。そして、同社においては期間雇用であって、いつまで現在の労働条件と雇用が確保されるのかの保障が全くない以上、代償措置とはとてもいえない。

   以上述べたとおり、本件賃金カットは人道にももとるともいうべき暴挙であることが審理を通じてますます明らかになったと確信している。

   裁判所におかれては、一刻も早い判決されることを求めて陳述を終わる。


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「有事法制は誰のため、何のため」

弁護士 西田 雅年


1.はじめに

4月17日に国会に提出された有事法制関連3法案の審議がいよいよ始まり、連日審議されています。今の国会には、この有事法制だけではなく、個人情報保護法案、健康保険制度の改正案、郵便事業の民営化法案などの重要法案が目白押しとなっています。しかし、よく考えてみると、現在緊急にやらなければならないのは、深刻な不況をどのように克服するのか政府が具体的な政策を明示することと、国会議員に渦巻く様々な疑惑を徹底的に解明することではないでしょうか。

ところが、国会の一部の勢力は、アメリカの同時多発テロや不審船問題を持ち出して、国民の間に不安や危機感をあおり、内政の失敗から目を反らせる戦略を考えています。その重要な一部が、今回の有事法制です。

 

今回提出された有事法制は、3つあります。すなわち、武力攻撃事態法案(正式名は長いのでこれは略称です)、安全保障会議設置法改正案、自衛隊法改正案です。このうち、中心は武力攻撃事態法案です。この法案には、「有事」とはどういう場合なのか、「有事」の際にはどうなるのかという基本的な考え方が示されているはずなのです。しかし、実はほとんど明らかになっていません。有事の際の個別具体的な措置については、今後2年間で法案として出してくるということだけが決まっているだけですし、また「有事」の認定の仕方も非常にあいまいになっています。


2.有事法制が成立するとどうなるのか

以下は、基本的なケースを想定してみます。例えば、日本に近隣のある国が組織的・計画的に侵略してきた場合(冷戦時代のソ連が北海道に戦車部隊を上陸させたという事例)です。

@ 自衛隊が侵略行為に対して防衛出動したら、戦争を実行するために必要となる企業や労働者等が動員されます。ちょっと考えただけでも特定の職業の人が動員されます。戦闘行為による傷病兵の治療をする、医師、看護婦、薬剤師、X線技師などが野戦病院などで従事することになります。また、軍事車両を通行させるための道路・橋の新設や改修をするため、土木業者、建設労働者(大工、建設機械労働者、技術者)などが従事することになります。さらに、武器、弾薬、燃料、食料を輸送するため、運転手、パイロット、船員、鉄道労働者が従事することになります。さらに、船・飛行機・列車・トラックを使用しますから、これら輸送手段の整備や修理を担当する労働者も従事することになります。問題は、これらの労働者だけではなく、この他にも予想される労働者がいます。例えば、通信関係(NTTなど)、給水、汚水処理、電気、港湾関係等の労働者が従事することになります。

しかも、都道府県知事が、これらの医療・建設・輸送業者等に対して、命令が出せるようになっています(業務従事命令=自衛隊法103条2項)。

現在、この命令違反には罰則はありませんが、よく考えてみれば、業者が知事の命令を拒否することは通常あり得ませんし、業者は労働者に対して業務命令を出し、労働者が拒否すれば解雇することになるのは明らかです。

A 次に、戦争が始まると、国民には協力する義務が定められていますので、この義務に従わなければなりません。そこで、戦争の準備のため物資の保管場所を確保したり(倉庫や資材置き場)、自衛隊員などの宿泊施設や陣地などが建設されますが、その場合一般人の土地や建物が必要となったとき、国が一方的に土地や建物を使用できることになっています。ある日、自衛隊員が、「公用令書」という書類を持ってきて、「あなたの土地や建物は自衛隊が使用します」と言います。しかし、移転先の保障も無く、一方的に取り上げられてしまいます。裁判に訴えようとしても、不服の申立ができない仕組みになっています。また、土地や建物の権利者が分からなければ、事後に書類を交付すれば良いとなっています。そこで、たまたま旅行などで留守にして帰宅すると、自衛隊が勝手に自宅に入って、改築していたという事態もあり得ます。

しかも、取り上げられて改築されたり、立木を処分されても、国は原状回復の義務は負いませんので、そのままの状態で返されます。損害があれば、「補償」はされますが、その額は「通常の範囲」とされていますので、全額賠償されるということはありません。また、例えば自宅付近が攻撃されて焼失したようなケースには、法案は何も規定してませんので、補償無しということも考えられます。

B 流通業者や生産業者はどうなるのでしょうか。都道府県知事は、物資の保管命令を出せることになっています。この物資には限定は無いので、燃料、食料、トイレットペーパーに至るまで、戦争に必要なあらゆるものが対象となります。そして、保管命令を出す前提として、知事は業者に対して、立入検査や報告の要求ができるようになっています。そして、立入検査を拒否したり、妨害したりすれば、20万円以下の罰金を課せられます。それだけでなく、職員の調査に対して応対をしなくて嫌がるだけでも(忌避)、同じように罰金となります。

そして、知事の保管命令に違反して、物資を隠したり、運び出したりすると、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金がきます。

C さらに問題は、私たちの社会は市民が優先の社会なのですが、有事法制ができると当然に軍事が最優先となります。我が国には、不十分ながら自然環境を保護する法律があり、国土の開発や整備に当たっては公共性や住民の安全を確保できるようになっています。しかし、今回の有事法制によれば、自衛隊にはこのような法律による規制を外して自由に行動できるようになっています。これは、自衛隊が陣地を構築するために一切の規制を受けないことが必要になるからです。公園を掘り返したり、山林を伐採したり自由にできるようになります。

D そして当然のことながら、情報も遮断されます。戦争となった場合、自由な報道が許されるとは考えられません。マスコミ関係者を含めて国民全体が「戦争に協力する義務」が課せられます。従って、米軍や自衛隊を批判するような報道が許されるはずがありません。さらに、有事法制の発動に対する批判も封殺される危険性があります。国民は、何の情報も与えられず、政府から一方的に垂れ流される情報しかないため、戦前のように国民は戦争へと駆り立てられていきます。実際、昨年の同時多発テロによって成立した、テロ特措法に基づいて自衛隊がアフガン沖に展開しているのですが、具体的にはどこで、誰が、何をしているのか全く報道されていません。情報が遮断されているからです。このような事態がもっと全面的になっていくでしょう。


3.「有事」とは誰がどのように決めるのか

@ 前述したような国内での戦争準備に入るために、「有事」の認定が必要となります。今回の法案では、「武力攻撃事態」という言葉が出てきます。これは一体何でしょう。法案によれば、「武力攻撃事態」とは、ヒ我が国に対する外部からの武力攻撃が現実に発生した場合だけでなく、フ武力攻撃のおそれが発生した場合、さらにヘ事態が緊張し武力攻撃が予測される場合も含まれています。ヒは国民が直接確認できるので正確な報道がなされていれば事実は確認できます。しかし、フやヘとなると、非常にあいまいです。本来、自衛権を行使するのですから、他国からの組織的計画的な攻撃があった場合に発動されるということになるはずですが、法案ではそうなっていません。他国からの侵略攻撃がなくても、「おそれ」や「予測」だけで、国内的には有事法制が発動されて、戦争準備に入ることになります。

例えば、「近い将来A国からのゲリラ攻撃が行われるかもしれないとの情報が入った」というだけで、発動される危険性が十分にあるのです。この場合、そのような可能性は無いと反論したところで、国民の側から反対の証拠や情報がある訳ではありません。これは、単に「政府の言うことを信用してくれ」と言ってることに過ぎないわけです。

A 「武力攻撃事態」かどうかの認定は、内閣総理大臣が閣議にかけて行うことになります。しかし、軍事的な観点からの判断が必要となるので、今回の安全保障会議設置法改正案では専門委員会を置いて、ここで調査と検討を行うことになっています。この委員会のスタッフに自衛隊員が入ることは明らかです。軍事的専門的な判断について、各大臣を含めてできるはずがないからです。

それでは、自衛隊は単独で検討することができるかというとそうではありません。今回の法案では、米軍との緊密な協力が要求されていますし、米軍への物品・施設・役務の提供などが決められています。元々諸外国の情報はアメリカが独占しているはずです。そうすると、当然米軍の作戦を含め、米軍との協議や調整がない限り、何も決められません。

そもそも、日本に突如ある国が軍事侵攻して○○海岸に上陸するという事態なら日本が主導的に認定できます。しかし、政府はこのような事態は想定できないと答弁しています。そうすると、有事法制が発動されるのは、米軍がアジアにおいて軍事行動を起こし、その反撃として日本に対する武力攻撃が予想される場合ということになります。

従って、実際には米軍主導で行った軍事作戦行動の結果、「武力攻撃事態」かどうかの認定が行われることになります。これはまさに米軍の作戦を日本が追認することに他なりません。


4.「備えあれば憂いなし」なのか

まず、現在、他国からの侵略の可能性がありません。先ほど言いましたように、政府答弁では明確に否定されています。

また、外交上、様々な問題が国家間にありますが、現在の日本において武力で解決しなければならないという政治的・外交的な問題はありません。領土問題や日本人拉致問題がありますが、これらの問題が武力で解決できるわけではありません。

今回の法案について、一部の推進勢力は「テロ、不審船」問題に対処できると発言されていますが、本当に「テロ、不審船」問題の解決に役立つのでしょうか。

もともとテロは、いくら大規模であっても国内における犯罪として処罰すべき問題です。大規模だということで武力で対処できるのでしょうか。強大な軍事力と非常事態措置を持つアメリカでも、昨年9・11の同時多発テロは防止できませんでした。またテロは、何時、どこででも発生する可能性があります。そうであれば、今回の有事法制は、地域の限定なく(日本中どこでも)、無期限に(いつまでも)発動しておかなければならないでしょう。

日本にいるすべての人を監視するという、がんじがらめの社会ならいざしらず、法律ですべてのテロを防止することは不可能です。

また、軍事力で国際紛争が解決するのでしょうか。

軍事力による国際紛争解決の失敗例は、現在のイスラエルとパレスチナの状況をみれば明らかです。ここでは、一方が軍事力を行使すると、その報復のため軍事力やテロが行われ、またその繰り返しがされ、というように報復の連鎖となってしまいます。従って、国際紛争を軍事力で解決するのではなく、他の手段を取るべきです。例えば、貧困原因への対処、文明、宗教や民族間対立などの解明と、それらに対する公正な手当をしていくということが必要なのではないでしょうか。

さらに、先進国には有事法制があるではないか、という意見もあります。

しかし、ここで言っている先進国とは、軍隊を持った、「戦争をする国」のことです。そのような「戦争をする国」と日本が同じで良いのでしょうか。

私たちは、第2次世界大戦に巻き込まれ、一方ではアジアの人々に対する加害者となり、国内においては空襲などの被害者となりました。その深刻な反省から今の平和原則を最優先させた憲法を作ったのです。今回の有事法制が成立すると、私たちは軍事が優先する社会に住むことになります。そのような社会に住むことが幸福なのでしょうか。また、再びアジアに対して侵略することが可能となっていきますが、私たちはそんなことを望んでいるのでしょうか。

しかし、軍隊をもって、それを自由に動かせる法律をもてば、そうなっていきます。従って、「備えあれば戦争ができる」ということです。


5.今後はどうなるのか

@ 今現在の法案だけでは終わらないことははっきりしています。今後は、米軍が日本国内で自由かつ円滑に行動できる法律が必要となります。現在の法案では自衛隊だけが国内の規制を受けないということになっていますが、米軍が日本国内法の規制を受けることはあり得ないでしょう。

さらに、個別的な国民の人権を規制する法案が出てきます。今の法案では個別具体的な規制については今後2年間で成立させるとなっています。これらの人権規制の内容として考えられるのは、例えば疎開、捕虜の扱い方、配給や価格統制などの経済的な規制、さらには国内で有事法制に反対する集会やデモを規制する法律、さらには有事における教育のあり方などが続々と出てくるでしょう。そして、情報の漏洩に対しては厳罰に処する国家機密法(かつて廃案となったもの)、さらには消費税の大幅アップ、靖国神社法案など悪法がこの際どんどん出てくるでしょう。そして、最後は、憲法改正、徴兵制となり、戦前の日本に逆戻りとなってしまいます。

A 私は、今回提案された有事法制に反対するだけでなく、極めて先進的な日本国憲法の平和原則や第9条を全世界に広げることが必要だと考えています。今の憲法は、対話と社会的公正の追求によって平和を目指すということを理念として掲げています。単に日本だけが平和であれば良いのではなく、全世界の国や地域にも平和をもたらすようにしていく必要があります。

再び戦争の「共犯者」となって、アジアの人々に対する加害者となるのか、そうではなく徹底的な対話と社会的公正を追求していき全世界の平和を実現するのか。このような重大な岐路に立っているのです。みなさんも一人でも多くの人に今回の有事法制の内容を知らせて、有事法制を廃案にするだけでなく、全世界の平和を実現できるように憲法の理念を広げて下さい。

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〔シリーズ〕労基法を使おう (第31回)
通勤災害について

弁護士 増田 正幸


労災保険は強制加入なので、労基署に届け出がなされていなくとも、使用者が保険料を納めていなくとも、労災補償はなされます。

労災補償は、「業務上の」負傷、疾病、障害及び死亡に対してだけでなく、労働者の「通勤による」負傷、疾病、障害及び死亡(通勤災害)に対しても行われます。

通勤災害と認められるためには、@労災保険法で定める「通勤」をしていたといえること、A通勤と傷病等との間に相当因果関係があること、の2つの要件が充足されることを要します。

「通勤」とは、@ 就業に関し(業務に就くため、または業務を終えたため)、A 住居と就業の場所との間を、B 合理的な経路及び方法により往復すること、をいいます。

@については、業務とは無関係に、運動部の練習や組合活動のために、所定の始業時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合や、終業後、会社内で長時間にわたってサークル活動や組合活動をするために居残った場合などは否定される場合があります。

Aについては、「住居」かどうかが問題となります。通常は、「住居」とは労働者の自宅をいいますが、早出や長時間の残業の際に自宅以外に宿泊場所として利用している場所は「住居」となり得ます(友人宅で麻雀をして、翌朝そこから出勤する場合は「住居」とはいえません)。単身赴任者が週末などに反復継続して自宅に帰宅する場合は、赴任先の住居と自宅との双方が「住居」となり得ます。また、「就業の場所」とは、業務を開始し、または終了する場所をいうので、外勤業務の場合に訪問先に直行したり、訪問先から自宅に直帰する場合のように、最初または最後の用務先もこれに含まれます。

Bの「合理的な経路及び方法」については当該住居と就業場所との間を往復する場合には通常利用されるであろう経路及び手段をいいます。

なお、労働者が往復の経路を逸脱したり、中断した後は、原則として「通勤」とは認められません。「逸脱」とは、通勤の途中に就業または通勤と関係のない目的で合理的な経路をそれることをいい、「中断」とは通勤の経路上において通勤とは関係のない行為(映画鑑賞等)をすることをいいます。ただし、逸脱または中断が日用品の購入、職業能力開発のための受講、選挙権の行使、病院での診療などのための最小限度のものである場合には、逸脱、中断の間を除いて、「通勤」とされる余地があります。

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