「労働時間」という単語は、法律的には多義的であり、少なくとも ⅰ)法定労働時間 ⅱ)所定労働時間 ⅲ)実労働時間の3種類は明確に区別する必要があります。
ⅰ)法定労働時間とは、法律すなわち「労働基準法」によって最長時間規制がされている労働時間を指します。法定労働時間の具体的な内容については後ほど触れますが、大事なことは労働基準法で定められた労働条件(労働時間、休日、休憩、休暇など)は最低のものであり(労基法1条2項)、労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その条件を定めた部分については無効となり、法定基準が契約内容となるということです。
ⅱ)所定労働時間とは、使用者(会社)と労働者(従業員)との間の労働契約上、労働者が労働を提供するべき義務を負っている時間をいいます。所定労働時間は、通常は、就業規則で定められています。
そうすると、法定労働時間と所定労働時間は一致しないことがあります。例えば、法定労働時間は後述のとおり1日8時間かつ1週40時間なので、所定労働時間が1日7時間と定められている会社で1日8時間働いた場合、1時間分は所定外労働となりますが、法定外労働にはならず、労基法上の時間外割増賃金は発生しません。
ⅲ)ところで、労働基準法によって規制する「労働時間」は、実労働時間のことです。実労働時間とは、労働者が使用者の指揮監督の下に、現実に労働力を提供した時間をいいます。労働時間の計算は、この実労働時間をもってなされ、法定労働時間も、原則としてこの実労働時間に対して適用されます。
労基法が規定する労働条件は最低基準として、労基法が適用される全ての労働者に当然に適用されます。そこで、労基法が定める労働時間法制の内容を理解しておかなければなりません。その出発点として、以下のような「大原則」を理解することが重要になります。
① 労働時間は1日8時間かつ1週40時間を超えてはならない(32条)。
② 休日は、原則として、週1回以上与えなければならない(35条)。
③ 労働時間は、原則として、実労働時間で算定する。
要するに、労働者は、原則として、実労働時間で1日8時間かつ1週40時間以上働く義務はなく、週1日は休める権利を最低基準として有しているのです。
以上の原則どおりでない場面として、5つの場面があります。
(1)時間外・休日労働これについては、第3回の労働法連続講座で詳しく学習することになっておりますので、今回は簡単に紹介しておきます。
臨時的・一時的なやむをえない必要がある場合には、①実働8時間(40時間)原則の例外として、法定時間(1日8時間、1週40時間)を超えて労働させたり(時間外労働)、②週休制原則の例外として、法定休日(週1回)に労働させることが出来ます(36条)。
もっとも、この場合には、いわゆるサブロク協定の締結届出が必要となるとともに(非常時(33条)を除く)、法定の割増賃金(時間外25%以上、休日35%以上)の支払が義務付けられます。
(2)変形労働時間制時間外・休日労働が、1日8時間・1週40時間以内という法定労働時間を前提としてその基準を超えることを強いる制度だとすれば、変形労働時間制は、法定労働時間を弾力化する、いわば歪める制度です。①1日8時間・1週40時間以内という大原則を排して、変形期間を通算してのチェックのみを課す制度ともいえます。
現行労基法では、1か月単位、1年単位、1週間単位、フレックスタイム制の4種があり、それぞれに厳格な要件が定められています。
(3)みなし労働時間制みなし労働時間制とは、③労働時間を「実労働時間」で測るのではなく、「実労働時間」のいかんに拘わらず、予め定められた時間を労働したものとみなすことが認められる制度です。現行労基法では、事業場外労働、専門職裁量労働、企画職裁量労働の3種類が定められています。
(4)適用除外これも詳しくは第3回講座に譲ります。労基法は、①ないし③の労働時間制がそもそも適用されない適用除外者の定めを置いています(41条)。この適用除外者の中で、最も問題になるのは「管理監督者」ですが、我が国で「管理職」と呼ばれている人の大半は、「管理監督者」に該当しないのが実情です。
なお、適用除外者であっても、深夜割増賃金と年休については適用があります。
(5)特例イ 商業、映画・演劇業(映画製作は除く)、保健衛生業、接客娯楽業の事業であり、事業場の規模10人未満のものについては、法定労働時間の特例として、1週44時間、1日8時間制が認められています(25条の2第1項)。
ロ 運輸交通業の予備動員については、予めの特定なしで1ヶ月単位の変形時間労働制をとることができます(26条)。
ハ 運輸交通業、商業、金融・広告業、映画・演劇業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業、官公署の事業については、一斉休憩の除外が認められています(労基法規則32条)。
ニ 運輸交通業、通信業のうち、一定の者については34条の休憩時間を与えないことができます(32条)。
ホ 警察官等や乳児院等に勤務する職員で児童と起居をともにする者については、休会時間の自由利用の例外が定められています(33条)。
以上の例外のうち、以下では(2)変形労働時間制と(3)みなし労働時間制についてもう少し詳しく(とは言っても基本的な部分について)ご説明いたします。
(1)変形労働時間制は、原則である1日ごとの規制(8時間)及び1週毎の規制(40時間)を適用せず、ある一定期間(1か月単位、1年単位、1週間単位等の変形期間)を平均した所定労働時間が週法定時間(40時間)いないであればよいとして、総量規制にする制度です。
変形労働時間制を導入した場合、ある特定の日や週を取り上げて8時間や40時間を超えていても、全体として変形労働時間制の枠内に収まっていれば、法定時間外労働についての割増賃金は発生しません。
フレックスタイム制も、1日の労働時間を柔軟化させる制度です。
(2)所定労働時間をより自由に変形して配置することができることは、使用者にとって大きなメリットです。これにより、残業代の支払いも少なくすることができます。
しかし、労働者にとっては忙しい時期の所定労働時間が長くなったり、所定労働日が増えたりし(=休日が減る)、今までなら支払われていた残業代も少なくなります。忙しい時期の所定労働時間が長くなることにより、労働者の生活設計に支障が出る場合もあり、変形労働時間制の内容やその運用次第で、労働者の健康、生活に影響が生じ、重大な問題が生じるおそれがあります。したがって、変形労働時間制を導入するにあたっては、慎重な検討が必要です。また、1日8時間・1週40時間以内という法定労働時間の原則を変形させる以上は、その要件を満たしているかは厳密にチェックされます。
(3)なお、変形労働時間制は上記のとおり労働時間の大原則(1日8時間・1週40時間以内)の例外であることから、厳格な要件が定められており、これらの要件をすべて充たさないと違法になります。このような要件の一つとして、.労使協定または就業規則による具体的な定めが挙げられます。
私が事件の中で会社の就業規則を見たとき、「毎月1日を起算日とする1ヶ月単位の変形労働時間制を採用し、週の所定労働時間は、1ヶ月を平均して40時間内とする。」などという就業規則の規定をよく目にしますが、このような規定を設けただけでは変形期間の特定は不十分です。期間、起算日、全日についての労働日・所定労働時間・休日を特定する必要があります。
(1)みなし労働時間制とは、実際に何時間働いたかとは無関係に、予め決められた一定の「みなし労働時間」を実労働時間とみなす制度です。例えば、みなし時間を「1日8時間」とするみなし時間制の場合、その適用を受ける労働者が1日10時間働いたとしても、1日5時間しか働かなかったとしても、その日の実労働時間は8時間と見なされます。
なお、みなし時間制は、1日単位でのみ適用可能であることから、「1週の労働時間を40時間とみなす」などといった形で、みなし時間制を採用することは許されません。
(2)みなし労働時間制には「事業場外労働」に関するものと、「裁量労働」に関するものの2種類あります。みなし労働時間を超えて働いた場合、時間外の割増賃金は支払われません。もっとも、みなし労働時間制の下でも、深夜労働に対しては割増賃金の支払義務はあるので、使用者の時間把握義務が免除されるものではありません。みなしは所定労働日の労働に対して適用されるものであり、所定休日の労働には適用されません。
(3)みなし労働時間制は、1日8時間・1週40時間以内という法定労働時間の原則が適用されなくなるわけなので、その要件を満たしているかは厳密にチェックされます。労基法が定めるみなし労働時間制の要件を充たしていない場合には、原則に戻って実際に働いた時間で計算することになります。
要件として、事業場外労働の場合にみなし労働時間制が認められるのは「労働時間を算定し難いとき」に限られることになります。現在は労働時間管理のための各種機器が発達していることも合わせ考えると、「算定し難い」というハードルは高く、裁判上も要件が厳しくチェックされます。
また、専門職の裁量みなし労働時間制を導入するには、対象となる19業務にあり、かつ労使協定の締結・届出が必要となります。
さらに、企画職の裁量みなし労働時間制の場合にも、対象業務の要件があり、労使委員会等の決議・届出+対象労働者の個別具体的な同意が必要となります。
実労働時間すなわち労基法上の労働時間について、最高裁判例は「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することが出来るか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約の定めのいかんにより決定されるべきものではない」としています(最判平成12年3月9日)。また、最高裁は他の事件で「当該時間に労働者が労働から離れることを保障されていて初めて、労働者が使用者の指揮下に置かれていないものと評価することができる」と判示しています(最判平成14年2月28日)。
では、実労働時間の開始や終了は、具体的にはどのような基準で判断されるのでしょうか。実労働時間は、現実に指揮命令下にあったか否かによって客観的に判断されることになります。
実際に労基法上の労働時間に当たるかどうかが問題となるケースを幾つか検討してみましょう。
事業場に到着して入門した時点から、作業服及び安全保障具着用のために更衣所まで移動する時間は、実労働時間には当たらないとするのが判例です(最判平成12年3月9日)。
もっとも、大規模な事業場で入退門から作業所まで10分以上かかる様な場合には配慮が必要であり、労使で適切な処置をすべきでしょう。
(2)準備時間−作業服への着替え、保護具の着用など作業服・制服・安全保護具の着用を始業時間や点呼の前に行わせたり、始業時刻前に朝礼、体操さらには準備作業などを実施している例は多く見られます。これらの行動が使用者の指揮命令による、あるいは業務の性質上義務付けられている場合には、それに要する時間は実労働時間です。
後始末時間についても基本的には同様に考えてよいとされていますが、作業後の洗身・入浴については、最高裁が社会通念上も洗身・入浴しなければ通勤が著しく困難と言える場合のみ労働時間に当たるとしたことには注意が必要です。
(3)教育、研修、訓練使用者が実施する教育、研修、訓練については出席しなければ不利益が科せられるというような場合には実労働時間に当たります。一方で、まったく強制の契機がなく、自由参加であれば労働時間には当たらないとされています。
もっとも、小集団サークルやQC活動が自主参加を唄い文句にしていても、不参加について理由が問われたり、人事考課上のマイナス評価に査定される要素になる場合には、事実上の強制があり、実労働時間といえます。これについては、労基署の是正勧告も多数出されています。
(4)健康診断健康診断については、行政解釈では特定の有害な業務に従事する労働者について行われる健康診断(じん肺健康診断や有機溶剤健康診断等)についてのみ、事業の遂行のために実施されるものであり、実労働時間であるとされています。
しかし、健康診断は使用者の法令上の義務であり、労働者にも受診義務が課されていることからすれば、健康診断に要する時間は実労働時間と考える余地は十分にあると考えます。
(5)自宅持ち帰り残業事務労働者などは、自宅に書類や書面データを持ち帰って作業を行うことがあります。これが上司などの明示の命令による場合であれば、当然労働時間にあたります。また、上司の明確な指示がない場合でも、翌日までに仕事を完成させなければならず、物理的に事務所が使用できなくなるなどの事情がある場合には、黙示の命令があると考えて実労働時間になります。
しかし、このような事情がなく上司も知らないような場合には「指揮命令下で」働いたことを立証するのは困難です。また、過労死事件などの場合には、そもそも持ち帰り残業を行ったこと自体を証明するのが困難な場合が少なくありません。持ち帰り残業の立証は成果物(自宅で作ったもの)が存在するか、成果物の作成時間が証明できるか、などがポイントになります。
(6)仕事上の接待ゴルフ、宴会日本では、仕事上の接待として顧客などと懇親を深めるためのゴルフや宴会が行われることが珍しくありません。接待行事に接待要員として参加を命じられた場合は、接待の目的が懇親を深めるというだけであっても、労働時間に当たる可能性があります。
(7)仮眠時間ビル管理業務に従事している労働者の泊まり勤務での仮眠時間について、最高裁は労働者の職務が「仮眠時間中も必要に応じて、突発作業、継続作業、予定作業に従事することが想定され、警報を聞き漏らすことは許されず、警報があったときは何らかの対応をしなければならない」ことを理由に、労働からの解放が保障されていえず、労働者は使用者の指揮命令下に置かれているとして、仮眠時間全体を労働時間と認定しています。
(8)移動時間ア 通勤時間は原則として労働時間には当たりません。
イ 出張の際の移動時間
判例の中には、国外出張の移動時間について、「労働拘束性の程度が低く」、労働協約上の実労働時間ではないとするものがあります(東京地判平成6年9月27日)。もっとも、重要書類や商品・機材の運搬、会社への立ち寄り、上司の同行などがある場合などには、労働時間と認められる可能性があります。
ウ 休日の移動
判例の中には国内出張の場合に、日曜日を移動日としても、休日労働させたことにはならないとするものがあります(東京地判平成元年11月20日)。もっとも、休日に移動せざるを得ない出張を特に命じられた場合(修学旅行の同行)に、当該職務に当然付随する職務として休日労働になるとした判決もあり(松江地判昭和46年4月10日)、個別的な検討が必要です。
【講義の感想】前回に引き続き、今回も多くの方々にお越しいただき、ありがとうございました。少し緊張しましたが、簡単なクイズも交えながら、楽しく学習ができたと思ってもらえれば幸いです。
このページのトップへ1.全港湾全日検神戸分会が2014年10月15日当協会に入会されたので,当協会事務局長萩田満,事務局次長増田正幸,同本上博丈の3弁護士が2014年11月17日,組合事務所を訪問して交流会をもった。組合側は,谷口分会長,中野副分会長,坪井書記長,木村執行委員及び土井執行委員の5名に対応いただいた。
2.全日検といえば,今の全港湾全日検神戸分会の前身である全日検神戸支部労働組合が2001年に闘った賃金50%カット裁判,その勝訴判決確定後すぐの2003年に闘った賃金約30%カット等の新たな合理化反対裁判が著名だ。当時は100名以上の組合員がいたが,現在は雇用延長の嘱託社員を含めて約160名の従業員のうち40名弱にまで減っており,しかもそのうち22名が雇用延長者とのこと。組織拡大が焦眉の課題である。職場内にはもう一つの企業内組合があり,新入社員など若い人はそちらの組合に入ってしまう傾向がある。アルバイトも常時数十名いるが,現在組織化はされていない。
2001〜2003年の賃金カット反対闘争以前は,検数労連の傘下にあったが,運動方針の違いが生じたことから,現在は全港湾に変わった。
また検数協会の関連会社であるマリンサービスからの派遣労働者が約80名おり,当組合はその正社員化を要求している。一応3年を目途に正職員化が進んでいるが,明確な採用基準はなく,不明朗である。組合は,同一労働・同一賃金の立場で一年経てば正職員に登用することを要求している。
3.2001年の賃金カット問題は阪神大震災のツケを神戸支部だけに押し付けた不当なものだったが(神戸支部だけ50%カットで,例えば大阪支部は25%など),月例賃金は徐々に全国的に元に戻った。一時金は現在,支部ごとに業績などの格差がある。
4.労使関係は,以前は配転等でももめていたが,最近は少し変わってきている。
かつては組合所属で,昇進差別があったが,現在では組合役員でも主任登用されるなど変化しつつある。
全日検には全国的に3つの労組(全港湾・日港労連・検数労連)があり,全港湾は地域での支部交渉が基本であるが,他の労組は中央での交渉が行われており,全国的な本部課題では3団体で調整し,工夫しながら本部経営と対峙しなければならないと考えている。
5.民法協にはこれまでも裁判闘争のほか,組合員の個別の法律相談などにも対応してきてもらっているが,今後は出前講座の利用なども考えていきたい。
このページのトップへ12月10日、全国一斉で「12.10ブラック企業告発110番 労働相談ホットライン」を取り組みました。県内では尼崎、西芦、東播、西播、宝塚、そして兵庫労連労働相談センターの6カ所で実施しました。当日は特定秘密保護法の施行日、そして総選挙真っ只中での取り組みとなりました。相談数の多少はマスコミ報道が事前にあるかないかで決定的に違ってきます。従来なら新聞始め報道各社がお知らせの事前報道、あるいは当日のテレビ放映などがありましたが、今回はそれがほとんどなく相談件数が今春の同取り組みと比べ数分の一という結果となりました。私たちも独自の宣伝行動を計画していましたが、突然の解散総選挙となった影響で縮小や中止を余儀なくされました。とはいえ、労働者の置かれている環境は、相次ぐ労働法制の改悪や「アベノミクス」という誤った政策によりさらに厳しい状況となっています。そういう意味では、相談や助言、労働組合の力を必要としている「潜在的労働者」は多数いることが推測されます。
課題は残りましたが、一人でも多くの方の相談を、と兵庫労連労働相談センターは当日、2名の相談員、役員、そして今回も兵庫民法協の先生方に協力いただき、どの時間帯でも相談に応じられる体制をとり臨みました。
数少ない相談でしたが、日常の相談内容と共通している、というのが特徴でした。それは、経営者や上司によるパワハラです(正社員が非正規に、という例も)。また、労働者保護という本来の役割からすると不十分な内容ですが、現存する労基法などを知らない(自分にも適用される)労働者が少なからずいること。今一つは、「合理化」による人手不足や差別分断(正規・非正規、若者と高齢者など)により、他人を思いやったり労働者としての連帯感が阻害されている職場が多いということです。今回「派遣でも残業代の請求はできるか」という相談がありましたが、その典型です。以下、相談の概要報告を記します。
実施日時 | 2014年12月10日(水)10:00~19:00 |
会場 | 兵庫労連労働相談センター(兵庫労連事務所) |
電話台数 | 4台 |
相談員 | 兵庫労連労働相談所・相談員、兵庫県民主法律協会・弁護士9名 |
相談件数 | 6件(すべて電話) |
(内訳) 性別 | 男性1名、女性5名 |
年代 | 30代2名、40代1名、60代1名、不明2名 |
雇用形態 | 正社員3名、パート・アルバイト・契約1名、派遣・請負1名、不明1名 |
相談内容(複数回答) | 解雇・雇い止め1、賃金・残業代未払い1、社会・雇用保険1,パワハラ・セクハラ2,メンタル不全・疾患1,その他1 |
尼崎で1件電話相談(女性、40代、大企業で働く正社員、メンタル不全)あり、その他はなし |
12月14日投開票で実施された衆議院選挙は自民党290議席・公明党35議席を獲得し与党が「圧勝」しました。これは、アベノミクスの成否を問う、と争点を「一本化」(この道しかない)したことなど政権党の優位性を発揮した結果だと思いますが、国民は安倍首相・自公政権に「白紙委任」をしたわけではありません。その一つの表れとして、安倍自公政治に真正面から対決した日本共産党が21議席を獲得したことでも明らかだと思います。そして何より2年前同様、小選挙区制という民意を反映しない選挙制度の恩恵を受けた結果であり、個別の重要課題(原発再稼働、消費税増税、集団的自衛権行使容認・憲法改正、沖縄新基地建設問題等)では反対が賛成を今なお上回っています。
1月下旬に開会される通常国会では、二度に亘り廃案となった労働者派遣法「改正」法案始め、残業代ゼロや解雇自由に繋がる悪法が上程されることが予測されます。大企業の利益のみを追求するこれら悪法の成立を何としても阻止しなければなりません。「世界で一番企業が活動しやすい国」ではなく、人間らしく働きがいのある仕事(ディーセントワーク)の実現、まじめに働けば普通に暮らせる(憲法25条)社会を目指して私たちは奮闘します。そのために、ナショナルセンターの違いや立場を超え、大多数の未組織労働者の皆さんと連帯・団結して地域から運動を興していく決意です。合わせて「今、目の前で困っている労働者」に寄り添い問題解決を一緒に進めていくため「労働相談活動」の充実に努めていきます。
*今回も兵庫民法協の先生方に全面協力をしていただきました。紙面をお借りしお礼を申し上げます。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
ご協力いただいた兵庫民法協の先生方*敬称略
野田倫子(花くま法律事務所)、守谷自由(神戸あじさい法律事務所)、大田悠記(神戸合同法律事務所)、吉田維一(神戸合同法律事務所)、萩田 満 (中神戸法律事務所)、本上博丈(中神戸法律事務所)、増田正幸(神戸あじさい法律事務所)、八木和也(中神戸法律事務所)、坂本知可(神戸あじさい法律事務所)
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