1 講師に森岡孝二関西大学名誉教授をお招きして2月9日、最低賃金等をテーマの中心に据えて春闘学習会を行った。
2 森岡先生は、2015年10月に岩波新書「雇用身分社会」を著されたばかりである。
この著書では、構内下請けも含めた非正規労働者がすでに5割に達しており、かつ、労働者の位置づけが細分化され不合理な差別が持ち込まれている現状(非正規には社員食堂を使わせない、別のエレベーターを使わせるなど)が告発されている。さながら、江戸時代の士農工商のようであり、また、小林多喜二「蟹工船」の時代(戦前)とそっくりだという。跋扈する労働者派遣は「周旋屋」であり、正規労働者と非正規労働者の違いは「社員」と「職工」の差別を彷彿させ、大学生バイトが置かれた状況は恐慌下で仕事が見つからずに蟹工船に乗り込んでいく「学士さん」そのものである。
パート労働者は、雇用における男女差別が戦後も温存された結果であり、工場パートの多くがフルタイム勤務であるにもかかわらず、低時給にあえいでいる。こうしたパート労働者が、家計の中心になっており3世代パート(学生パート、両親もパート、祖父母は嘱託パート)などという家庭も増えている。週給計算すると、日本のパート労働者は正規労働者の3割程度の賃金しかもらっていない(時給×労働時間で、いずれも正規労働者より少ないため)。これではパート労働者が生活できるわけもない。
3 こうした格差・貧困を解消するためには、最低賃金の引き上げが必要不可欠である。
森岡先生は、現在の最低賃金制度は、1)生活できない賃金、2)世界的にも低水準、3)引き上げ率が低い、4)地域格差を温存していることを批判する。
そこで紹介された某居酒屋では、アルバイト募集広告にのった時給を調べてみると、たとえば北海道の店舗では734円、八王子店では869円、川西能勢口店では761円となっており、いずれも北海道、東京、兵庫の地域別最低賃金の額とピッタリ一致しているという。つまり、この居酒屋ではパート賃金=最低賃金である。生活できないパート賃金が容認されている温床は、最低賃金の低さというわけである。
日本の最低賃金は、平均798円である。これに対して、アメリカの最低賃金は7.25ドル(為替レート換算で870円)でそれを倍の15ドルにしようという動きがある。カナダは同様に858円~944円、イギリスは1112円、フランスは1248円というように、日本の最低賃金は最低レベルであり世界から立ち遅れている。すみやかに1000円以上に引き上げるべきである。
また、地域別料率は、差別と分断を促すことにもなる。企業のコールセンターは、沖縄など最低賃金の低いところによく作られているという。電話応対だけなので、本店または支店に設けておく必要がないからである。結局、地域別最低賃金は、安いところ安いところを目指して施設誘致をする衝動にしかならない。
4 生活実感からスタートした最低賃金を求めることは、労働組合運動の重要な政治課題であり、今年度の春闘を闘うにあたり、大いに勉強された講演であった。
このページのトップへJMITU福原精機製作所支部は,株式会社福原精機製作所の従業員によって結成された労働組合で,上部団体としてJMITU(日本金属製造情報通信労働組合。旧JMIUと通信労組とが組織統一したもの)に加盟している。田村善祐執行委員長,朝田昌明副委員長,西本宏書記長の3名と,当会の萩田事務局長,増田,本上事務局次長が交流した。
会社は,工業用編み機の製造を行っており,大手衣料メーカーの製造工場が客先。大阪市中央区北浜にある福原産業貿易株式会社が100%親会社で,和歌山県にある福原ニードル株式会社は編み針の専業メーカーでグループ会社。但し,親会社から来る役員は平取締役1名のみで,社長は福原精機製作所からの生え抜きである。
丸編みの編み機メーカーは国内では福原精機製作所1社しかなく,名の通った企業は世界でもドイツと台湾の会社を加えて5社くらいしかない。製品の93%は輸出している。
福原産業貿易には労働組合はなく,福原ニードルはユニオン・ショップ協定を結んでいるJAM労組がある。
福原精機製作所は西神南のみが事業所で,全従業員約220名,正社員についてはユ・シ協定を結んでおり,組合員数は154名。
約10年前までは競業社のない優良企業で,何もしなくても給料が上がっていたが,ここ数年は海外メーカーとの競業が生じたことから機械単価が下がり,利益が減った。2015年からは,受注はできるが,利益がほとんど出ない薄利多売になり,労働時間が長くなっている。またこれまでは外注して調達していた部品を,2016年4月からは長年取引して頂いていた協力会社の主要部品の組立作業を内作する事になってしまい,一層の労働時間増が心配だ。
36協定は3か月ごとに締結し,ここ2年間は残業時間上限を年360時間から延長し,400時間程度にしていたが,労使協議会の結果,2016年からは年360時間に戻した。最近は,土曜出勤だけでなく,日曜出勤もある。2015年に年360時間超が約20名,そのうち400時間超の従業員が4名いたが,製造工程の機械ごとに専門性があるために,残業がどうしても偏ってしまう。
他方で,労働者の年齢構成が,阪神大震災直後以降は採用抑制していたのが,最近は採用増に変わったことから,M字型でいびつになっている。このような年齢構成や人手不足は,会社の人員計画が場当たり的で不十分なものであったことが原因だ。
そのうえ中間管理職になると,立場上納期を気にして長時間残業せざるを得なくなることから,それを嫌って中間管理職のなり手が減っている。その結果,中間管理職がするべき仕事をその役職に就いて無い者がする事になってしまっている。
このように長時間残業問題は深刻な状況にあり,過労死も危惧される状況にあるので,民法協にはこの点で,当労働組合及び個別組合員からの相談に対応していただきたい。
会社(担当は総務次長)と労働組合(同,書記長)とでパワハラ・セクハラ相談窓口を2年前に作り,これまでに1件だけ第三者からの投書がきっかけになった案件があった。当事者双方から事情聴取した上で注意勧告して終息したが,被害者が相談したり訴えたりしやすい環境を整えていくことが課題だと考えている。当労働組合が,パワハラ・セクハラの被害者にとって信頼できる相談窓口になれるよう努力していきたい。民法協にも,パワハラ・セクハラ問題についての専門的知識の提供や対応への援助をお願いしたい。
労使交渉に関する労働法関係の基礎知識の学習にも,民法協には協力していただきたい。
若い人が労働組合活動に積極的でないのが,悩みの種。
このページのトップへ(1)「マイナンバー法」が2015年9月3日成立し,同年10月5日に施行された。
法案はもともと民主党政権下で国会に提出され,2012年末の衆院解散でいったん廃案となっていたもので,自民・公明・民主・維新・次世代の賛成により成立した。
マイナンバー制度とは,国民一人一人に特定の番号(個人番号)を付け,様々な機関や事務所などに散在する様々な国民の個人情報を,個人番号によって名寄せ,参照することを可能にすることによって,行政などがそれらの個人情報を活用しようとする制度である。
(2)政府は,①行政の効率化(行政機関や地方公共団体などで様々な情報の照合,転記,入力などに要している時間や労力を削減できる),②国民の利便性の向上(添付書類の削減など,行政手続が簡素化され,国民の負担が軽減される),③.公平・公正な社会の実現(所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため,負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに,本当に困っている人にきめ細かな支援を行うことができる)
(1)現在でも,行政機関,民間企業はそれぞれの目的にしたがって国民の個人情報を保有し利用している。住民票にも個人別の番号が付けられている。運転免許証にも個人別の番号が付けられている。クレジットカード,各種会員証などにも会社毎に会員番号が付けられ,商品やサービスの提供の際に(ポイントを付けて)カードを使わせ,各個人の趣味嗜好についての情報を収集している。
しかし,現在これらの個人情報は別々の機関,団体が管理し,それぞれが個人に付している番号(免許証番号,健康保険証番号,住民票コード,年金番号,各カード会員番号等)も全く異なる。
(2)通常は,個人は氏名・生年月日・住所・性別により特定されるが,同じ漢字を用いても読み方の違うケースもある。たとえば,同じ読み方でも異字体がある(「斉藤」・「斎藤」・「齋藤」,「渡辺」・「渡邊」・「渡邉」)(しかも,日常生活では戸籍で用いている字を使用せず,簡単な「斉藤」「渡辺」を慣用していることが珍しくない)し,住所はしばしば変更される。したがって,氏名・生年月日・住所・性別だけでは完全には個人を特定できない。
(3)これに対して,各個人の生涯変わることのない番号を付けることができれば,各機関の保有している情報の名寄せ・突合が可能になる。そこで,これまでも政府は国民に番号を付けてその情報を管理する制度の構築をもくろんできたが,国民の反対で実現できなかった。
1980年にはマル優制度の制限を潜脱するための他人名義の貯金を防止したり金融所得の正確な把握を理由に各利用者に番号を付けて管理する制度(グリーンカード制度)が導入されたが,国民の反対運動や金融業界も海外への資金流出を懸念して反対したため同制度は実施されないまま1985年には廃止された。
1999年の自民党小渕内閣時代に「住民基本台帳法」が改定され,2002年に「住民基本台帳ネットワーク」(住基ネット)が稼働を開始したが,実施主体が自治体であり,セキュリティが脆弱であるという強い批判や実施しない自治体(新潟県加茂市小池市長)が出現するなどして国民に普及しなかった。
(1)政府の長年の念願が叶ってマイナンバー制度が実施された。日本在住の全ての個人に生涯不変の12桁の「個人識別番号」が付与され,法人にも13桁の番号が付与されて,2015年10月5日現在の住民票住所に「マイナンバー通知カード」が簡易書留で順次郵送され。2016年の年明けとともに運用が開始された。
2016年1月から税金・社会保障・災害関連の3分野でマイナンバーが適用される。ただし,社会保障分野については,年金機構の125万件の情報漏えい問題に対する批判の高まりにより,年金番号との情報連携は延期された。
国税(所得税申告,源泉所得税)及び連動する住民税について,2016年分の申告書(2017年3月に申告)から,法人税については2016年1月以降に開始する事業年度に係る申告書から,法定調書については2016年1月以降の金銭等の支払等に係るものから,個人番号・法人番号の記載が開始される。
2016年1月以降の雇用保険,国民健康保険の届出にはマイナンバーの記載が必要になる。災害関連では被災者の再建支援事務等にマイナンバーが用いられる。
2017年には健康保険,厚生年金の届出に,2018年には預金口座の開設にマイナンバーの記載が必要になる(ただし,預金口座については,当面は預金者の任意とされ,2021年度以降,義務化が予定されている)
2016年7月以降,地方公共団体においても,生活保護・児童手当等の社会保障関係,地方税,防災事務,特定健診(メタボ健診)の履歴,及び予防接種履歴に個人番号を結びつけることになる。
(2)今後,戸籍事務,旅券事務,自動車登録事務にも適用が予定され,健康保険証,印鑑登録カード,国家資格等の資格証明書,国家公務員身分証明書等の個人番号カードへの一元化・一体化も想定されている。
さらに,将来,民間企業の発行するクレジットカードやポイントカードの作成にもマイナンバーを要求したり,1枚のカードに多くの機能をもたせてマイナンバーに紐付けする情報をどんどん増やそうとしている。家族関係,職業,職場,収入,預貯金,学歴,健康状態,趣味・嗜好はもとより,顔写真データ,さらにはDNAなどの生体情報に至るまであらゆる情報を集めて統合することをもくろんでいる。氏名・住所・性別が変わろうと,番号は変わらないので,生涯にわたって各人のデータの名寄せ・突合が可能になり,各個人の具体的な人物像(プロファイリング)を国が把握することになる。
こうしてマイナンバーの普及により一つの番号のもとに各人の情報が紐付けされればされるほど,政府にとって治安対策をはじめ国民を支配するための大きな武器となることは明らかである。
(1)2017年以降,マイナポータル制度(情報提供等記録開示システム)の運用が開始され,インターネットにより,各人は個人番号を用いて,
① 自己の情報へのアクセスの確認(自己の情報をいつ,誰が,どのような目的で使 用したのかを確認する機能)
② 各情報機関が保有する自己情報の確認
③ 各種電子申請
④ 利用出来る社会保障制度の確認
が可能になるという。
すなわち,自己の情報が悪用されていないか否か,自分のどんな情報が把握されているのかを確認して制度の運用を監視できるから安心であるし,各種の申請,申告の際の添付書類が省略できるようになり(たとえば,自分で住民票を用意しなくとも,個人番号を知らせさえすれば申請先が住民票記載の情報を取得できる。所得税の確定申告をインターネットで行う際に源泉徴収票の添付が不要になる等),コンピューターで各種の申請・申告が容易にできるようになるので市民にとっても便利な制度であると宣伝されている。
(2)しかし,かりに各種申請・申告の手続を簡略化できるとしても,市民が各種申請や申告を日々頻繁に行うということはないし,パソコンを使えない人には利用できないから,たいして利便性が向上するわけではない。
(3)しかも,自己の情報がどのように集められ,どのように利用されるかを各個人が十分に監視することは実際には不可能である。
たとえば,厚労大臣,知事・市町村長,独立行政法人日本学生支援機構等の照会に対して,関係各機関は,個人の同意なしに,個人情報(医療保険給付関係,地方税額,年金給付関係情報,生活保護,児童扶養手当,介護保険,奨学金受給者の医療・生活保護・地方税関係等)を提供することができる(マイナポータルを使って自分の情報がどのように使われたかを後に知ることはできるかもしれないが,事前にはわからない)。
個人情報を「加工」(氏名の削除,住所や生年月日の一部を省略等)すれば,本人の同意なく第三者に提供(売買等)することが可能になり,商品の購入履歴等を集積した「ビッグデータ」を経済活動に活用することが可能になる。現在でも,年齢別,職業別などの名簿が売り買いされ,家族の出産,入学,死亡等があれば,イベント毎に業者からダイレクトメールが来ていることを考えると,マイナンバーにより名寄せされた個人情報は業者にとっても垂涎の的ということになる。
実は刑事事件等の捜査のために個人情報が利用される場合はそれを監視する手段がない。刑事事件の捜査,少年法の調査,破防法の処分請求,暴力団対策法の立入検査,団体規制法に基づく調査等のために個人番号を利用する場合にはマイナポータルでも本人が利用状況を調べることはできない。その結果,国民の知らない間に公安機関の中で共通番号で名寄せして独自のデータベースが作られる可能性がある。
(4)現実には,上記のような正規のルートをたどらずに情報が漏洩されるリスクが非常に大きい。各機関の保有する個人情報は情報提供ネットワークを通じてやりとりをすることになるから直接ネットワークにアクセスして情報を不正取得することは技術的に可能であり,これを完全に防止することはできない。2015年5月に発覚した日本年金機構の125万件に及ぶ情報の不正漏出事件などを見ても容易に情報は漏洩されるのではないかという危惧は決して払拭できない。
また,マイナンバーを勤務先や取引先に伝えないといけないことになっているが,勤務先や取引先からの情報漏洩や会社の倒産などにより正当に収集された個人情報の流出は避けられない。
個人番号カードが普及し,身分証明書としてあらゆる分野で提示を要求されるようになると漏洩の危険はどんどん拡大する。たとえば,レンタルショップで会員証を作るときなどに「個人番号カード」を本人確認用に利用した際にマイナンバー部分もコピーされてそれが漏れることもあるであろうし,個人番号カードの紛失や盗難も避けられない。
情報が漏えいしても,事の性質上,すぐには本人にはわからない。しかもいったん漏洩したら,事実上回収不能であり,取り返しがつかないことになる危険がある。
(1)政府は,マイナンバー制度により所得を正確に把握して公正な徴税を実現するというが,資産家が資産を海外にシフトさせれば把握できなくなる。徹底して所得が把握されるのは普通の給与所得者である。そもそも現在の税制そのものが決して公平・公正とはいえないのにそれに手を付けずに,マイナンバー制度のために多額の経費をかけて多少捕捉率を上げたところでそれが公平・公正な社会の実現に資するとはとても思えない。
たとえば,所得税の負担率について国税庁の「平成19年分申告所得税標本調査」を基に日弁連がまとめたところ,申告所得額5000万円の人が所得税負担率の最高26.5%であり,申告所得額100億円以上の人の所得税負担率は14%で,申告所得額1600万円の人の所得税負担率の15.1%より低い。
(2)今後は,給与や報酬支払いに際して,事業者が源泉徴収票に個人番号と法人番号を記載し,金融機関などが支払調書に個人番号を記載して,税務署がこれら調書や確定申告書を個人番号で名寄せ・突合し,扶養関係の家族情報を個人番号で突合するという作業が行われることになる。その結果,たとえば,親が地方に住み,子が都会の大学に進学してアルバイトをしている場合にアルバイト収入が扶養限度額を超えているのに親元での扶養控除がそのままにされているというような場合はその過誤は是正されることになる。最近は,生活苦を解消するために会社に内緒でアルバイトをしている人も珍しくない。アルバイト先で所得税は源泉徴収されたとしてもアルバイト収入に見合う住民税は本業の会社に請求されることになっており,会社にアルバイトをしていることが発覚してしまう。果たしてこれらが不公正の是正といえるのか。弱い者いじめにしか見えない。
(3)なお,前記のとおり,当面は,職場で源泉徴収や社会保険料の控除のためにマイナンバーの届出が求められ,労災保険や失業給付の給付申請にもマイナンバーの提供が必要になる。ただし,現在は法律上は事業者や本人に対しマイナンバーの提供を義務づけていないので,提供を拒否することも可能である。したがって,就業規則でマイナンバーの届出を義務づけていたとしても,提供拒否に対して懲戒などの不利益処分はできない。
しかし,就職や転職の際にマイナンバーの提供を拒否するような者は採用されないであろうし,早晩,法律上義務づけられることになることは明らかである。今後,労働組合としてマイナンバー制度にどのように取り組んでいかなければならないのかの検討は避けられない。
上記のとおり,個人番号に紐付けする情報の範囲を広げて,国民のあらゆる情報を一元管理できるようにすることがマイナンバー制度の真の目的である。そのためには国民がマイナンバーを使用することに抵抗感をなくし,国民生活のあらゆる分野でマイナンバーが利用されることが必要であり,そのためにマイナンバーカードの普及が不可欠である(住基ネットの場合は多くの人が住基カードを作らなかったことが失敗の一因になっている)。とりあえず,健康保険証と個人番号カードの一体化などにより一気にマイナンバーカードを普及させ,カードを利用できる分野を広げてカードを携帯するのが当たり前という状況を作ろうとしている(逆に,それは情報漏洩の危険の増大につながる)。2020年の東京オリンピックでは会場に入場するためにマイナンバーカードの提示を要求するという話もあり,今後,政府はマイナンバーカードの普及に全力を尽くすと思われる。これに対して,マイナンバーカードを作らないという取り組みが非常に重要になる。
また,労働組合としては,当面,マイナンバーの提出を求める会社との対応をどうするかが問題になるが,重要なのは各職場でマイナンバーがきちんと管理されているのか否か,法律,規則等で求められている管理体制がきちんと行われているかどうかを監視することである(マイナンバーの管理は厳重に行う建前になっているが,これをきちんと行うことは使用者にも負担であり,とくに中小企業ではルーズになりやすいことに注意すべきである)。
盗聴法拡大の動きとも連動して,マイナンバー制度により巨大な管理国家の出現がもくろまれている。戦争のできる国になれるか否かはいかに巧妙に国民に対する情報統制ができるか否かにより決せられる。
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